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性転換大失敗!元ナシナシニューハーフが男に戻る!

第11章:デート前夜の決意

悠斗は、ベッドの上に仰向けになり、天井を見つめていた。

明日は夏希とのデート。二人で映画を観て、夕食を共にする予定だった。普通の恋人同士の時間。しかし、その普通が、悠斗にとっては意味を持っていた。

「俺は……彼女をリードできるのか?」

恋人として、男として、夏希をエスコートする。それが当然のように思えていた。しかし、彼の中には拭えない不安があった。

夏希は自分を好きだと言ってくれている。それは嘘ではないはずだ。だが、それでも、「男」として求められているのか、自信がなかった。

食事のとき、さりげなく支払いをするのは当然だろうか。歩くときは、彼女を守るように横に立つべきか。何より、手を繋いだとき、夏希は本当に自分を「男」として感じてくれるのか。

「……もし、このまま進んだら?」

デートの帰り道、夏希が部屋に来ることになったら。その先にあるのは……。

悠斗は、胸が苦しくなるのを感じた。

彼には、男性器がない。

夏希はそれを知っている。それでも彼を選んでくれた。けれど、本当にその現実を受け入れられているのか。

「俺は……夏希を満たせるのか?」

一瞬、また不安がよぎる。しかし、ふと、彼女が以前言った言葉を思い出す。

「悠斗は悠斗のままでいい。私は、悠斗がそばにいてくれるだけでいいの。」

その言葉は、彼の中で静かに響いた。

悠斗は、深く息を吐く。

男性器がないことは、自分にとって大きな壁だ。でも、それがすべてではない。愛する人と向き合い、心を通わせることができるのなら、何を持っているかではなく、どう向き合うかが大切なのではないか。

「そうだ……俺は、俺なりに夏希を愛せるはずだ。」

不安はまだ消えない。それでも、夏希と共にいる時間が、少しでも自分に自信を与えてくれるはずだ。

悠斗はスマートフォンを手に取り、夏希にメッセージを送る。

「明日、楽しみにしてる。」

しばらくして、「私も!」という返信が届いた。

悠斗は小さく笑い、目を閉じた。

何が正解なのかは分からない。それでも、夏希と一緒にいることで、その答えを見つけていけるかもしれない。

「大丈夫。俺は男だ。」

そう自分に言い聞かせながら、眠りについた。

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