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FTMの私が埋没という生き方を選んだ理由

ブログ名:GIDナビ-GID向け情報ブログ-

私は普段、基本的には埋没して生活しています。つまり、FTMであることを明らかにせず、一般的な男性として過ごしています。
今回は、なぜ私が埋没という生き方をしているのか、書いてみたいと思います。

安心と安全のため

簡単に言えば、安心して男子トイレ・更衣室・銭湯その他の施設を利用したいから、といえるでしょうか。
これは、現在の私の状態が、「パスできていて、ホルモン・胸オペ・内摘済」だということを前提としています。
この状態ならば、普通に男子トイレ(個室)を利用でき、更衣室でも問題なく着替えられ、銭湯は前を隠せばとりあえず入れます。とくに誰も私のことを気にかけず、単に用を足したり着替えるといった目的を果たすために、淡々とその施設を利用できます。
しかし、私がFTMだとわかっていたらどうでしょうか?
「元女である」「ペニスが無い(陰茎形成はしていないので)」ということについて、周りからの視線を受けることになります。
これは恐怖だと私は感じます。

FTMと男子トイレ

私が高校生の頃の話をします。
私は女子生徒として高校に入学しましたが、途中から男子生徒として扱ってもらえることになり、男子トイレも使えるようになりました。
しかし、私はできるだけトイレに行かないようにして、行くときもあまり人の来ない時間帯や場所を選んでいました。
途中から男子になったわけだし、未治療で外見も中性的な感じだったので、私がFTMであることを知っている男子生徒はたくさんいました。
直接攻撃的なことを言われたり、差別的な発言をされることはめったにありませんでした。しかし、本心はどう思っているかはわかりません。
私が個室に入っているとき、「今個室に入っていった男の子って、本当は女の子だよな」的な会話をして、笑っている声が聞こえてきたこともあります。

「女性」への視線

この恐怖は、「GIDの人だと見られている」ことよりも、「女性の身体だと見られている」という面が強いと思います。
そもそも、トイレが男女別になっているのも、MTFの人が女子トイレに入ることが問題になってしまうのも、男性から女性への性暴力の問題が関係しているからです。
だとすれば、完全な身体の手術を終えていないFTMの場合、男性から「女性」への性暴力の対象となる場合があるということです。もちろん「FTMが女性である」ということではなく、「FTMを女性とみなす男性がいる」ということを言っています。
つまり、私が埋没を選択するのは、このような暴力の被害を避けるためです。
暴力というのは、なにも強姦や強制わいせつのようなものだけを指すのではありません。女性として見られること、女性の身体を持つ者として視線を向けられること、そのこと自体に私は暴力性を感じてしまいます。もちろん、すべての男性が暴力的な意図を持って、女性の身体を見ているとは言いません。しかし、他人の心はわからないので、その区別をつけることはできません。
とにかく私は、ただ平穏にトイレに入り、服を着替えるという目的を達したいだけです。

おわりに

埋没の理由について、細かいことを言えば、他にもあるとは思います。FTMとして生きたいのではなく男性として生きたいからだとか、説明がいちいち面倒だとか、変な気を遣わせてしまうかもとか。
でも、私にとって最も重要な理由は、やはり暴力を避けるということかなぁと思い、今回はそれを重点的に書いてみました。

FTMの私が埋没という生き方を選んだ理由
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