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鏡に対する特別な信仰心を基に、魔術的なチカラを宿す鏡を探し求めては集める一部の骨董マニアがここ日本にも存在していた。 様々な逸話を持つ魔術的なチカラを宿す鏡、所謂「魔鏡」は骨董マニアの間では非常に高値で取引されてきたのだ。 東京都台東区浅草。観光客で賑わうこの街には、まさにその魔術的なチカラを宿す鏡を所有している骨董好きのオーナー美容師が経営している美容室が存在している。 店の名前は“ナルシスの鏡”「自分のイメージした通りの美しい姿に容姿を変えてくれる不思議なチカラを持つ」と噂されている鏡の存在や、その鏡にまつわる数々の逸話は某インターネット掲示板やYouTube上の都市伝説系のチャンネルの影響もあり多くの人が知る事になる。 巷に広まっているナルシスの鏡の逸話とは以下の通りである。 1つ、自分の容姿に心から絶望した人がその鏡の前に座ると、鏡は鏡の中の世界にその人物の魂を吸い込んでしまう。 2つ、鏡の中の世界は理想の容姿を手に入れたもう一つの仮想現実である。しかしリアリティがあり過ぎて鏡の中の世界と現実の世界の区別はつかない。 3つ、現実世界での6時間は、鏡の中の世界での時間では66日間にあたる。所詮仮想現実でしかない世界から元の現実に戻りたい場合は鏡の中の世界の時間で66日以内にまた鏡の前に戻ってくる必要がある。 つまり美しい姿を手にいれた鏡の中の世界を生きるのか?元の容姿に絶望した現実を生きるのか?を66日以内に選択を迫られるわけだ。 4つ66日を過ぎてもなお魂が鏡の中に残る選択をした場合、元々の現実の世界でその人物の存在は消滅する。抜け殻になった肉体も6時間後には鏡に回収されてしまう。 そして元にいた世界で関わった全ての人の記憶からもその人物に纏わる記憶は消えてしまう。もしもその人物に子供や孫などの子孫が存在する場合、同時にそれらの存在は全て鏡の中に飲み込まれ消滅してしまう。 はい。 という事で今日のブログでも3月15日に発売を控えた新作の小説コンプルックスのネタバレブログになります。 上記に紹介した文章は今回の作品の鍵を握るナルシスの鏡という魔鏡の設定。 そして今回物語の中でこの魔鏡の魔力に取り憑かれてしまうのは…ずっと憧れてきた結婚を目前に婚約破棄されてしまう30代高望み婚活女性 そしてもう一人は“ありのままの私"という言葉を日本に広めた偏った内面重視的価値観に取り憑かれたカリスマ心理カウンセラー 大きく分けると二部構成になっている今回の物語。もちろん一部と二部は繋がっています。 2つの物語2人の女性のコンプレックスが絶妙に交錯する物語。 今まで多くの女性の相談にのってきて女性は仕事とパートナーシップ続きをみる

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