都内のハッテン場で密売 “強姦薬”合成麻薬GHBの作用と危険度
都内のハッテン場で密売 “強姦薬”合成麻薬GHBの作用と危険度
「液体エクスタシー」と呼ばれ、性的興奮作用があるとされる合成麻薬「GHB(γ―ヒドロキシ酪酸)」が入った液体を密売目的で所持していたとして、東京都新宿区の会社役員、大須賀豊容疑者(59)ら男5人が18日までに、麻薬取締法違反の疑いで警視庁組織犯罪対策5課に逮捕された。
大須賀容疑者は一時、ゲイ向けのレンタルルームを新宿区内で4店舗、千代田区、北区内で各1店舗経営。個室スペースを貸し出していて、ゲイの間では「ドーベルマングループ」として有名だった。
店は40代までの男性のみが入店できるシステムで、24時間の滞在が可能。途中で系列店に移ることもできる。体重60キロ以下や110キロ以上、25歳以下の客が割引になる曜日も設けられていた。■「媚薬」と称し6750万円を売り上げ
「飲みやすくするため、GHBにかき氷のシロップを混ぜ、10ミリリットルずつ容器に小分けにされていた。それを『媚薬』と称し、店の受付やネットで1本約4000円で販売。2018年以降、少なくとも約6750万円を売り上げていた。クスリを服用して10分ほど経つと、気持ちが高ぶって性欲が増し、恍惚とした表情になり、幻覚があらわれる。この手のクスリとしては異例の筋肉増強作用もあります。『強姦薬』とも言われ、飲むと頭がボーッとして抵抗できなくなり、記憶もあやふやになります。かなり強い薬なので死に至るケースや、過剰投与すると意識障害を起こすこともある」(捜査事情通)
01年に規制される前は筋肉増強用にスポーツクラブなどで販売されていたことから、原料が容易に手に入りやすく、比較的簡単に製造できるという。
「2年前、店内で売買が行われているという情報があった。内偵を続けていたところ、新宿署管内で覚醒剤を所持していた男を逮捕した。男がGHBを持っていたため、問い詰めたら、店から購入したことを吐いた。倉庫として使っていた新宿1丁目のビルの一室をガサ入れし、GHBを含んだ液体約1・3リットルが見つかった」(前出の捜査事情通)
店のHPには「店内では3密にならないようお願いいたします」と到底ムリな「コロナ対策」が明記されていたが、大須賀容疑者らの逮捕を受け、一斉に閉店した。