ブログ名:三橋順子先生ブログ
4月5日(木)
珍しく『週刊ダイヤモンド』(4月7日号)を買って「特集:新・階級社会」を読んでいるのだが、思うところいろいろあり。
自分は「ポスト団塊世代(1950~60年生)」だが、「社会保障制度が崩壊する前になんとか逃げ切りたいと願っている」世代だと言われると「なるほど・・・」と納得。
正直言えば、やたらと長生きしなければ、そんな悲惨な老後にはならず、なんとか「逃げ切れるかな」と思っている。
年金は「武蔵野の逃げ水」のようになかなかもらえないだろうが、体が動くうちは働けば、贅沢はできないが生きていけるかなと思う。
介護保険制度が崩壊する前に、両親を送ることができたのも大きい。
もう1つ下の「新人類世代(1961~65年生)」くらいまではなんとかなっても、2つ下の「バブル世代(1966~70年生)」の人たちが老後を迎える頃には社会保険制度(年金・健康保険・介護システム)の崩壊は避けられないだろうから、それに比べたらまだマシということ。
さらにその下の「氷河期世代(1971~86年生)」は、それらに加えて生活保護システムも崩壊しているだろうから、よほど頑張って社会基盤&資産を作った方以外は、文字通り「餓死」「野垂れ死」の可能性が高くなる。
「老後は公的年金で」なんて言っているLGBT向けファイナンシャル・プランナーはめちゃくちゃ甘い。
こんな図が載っていた。
「純金融資産」が「3000万円未満」の層はどうなってるのだろう?と思い。
元の図を探してみた。
どうもこれらしい。
これなら、ちょっと分析できる。
超・富裕層+富裕層で2.3%、準富裕層まで入れて8.3%、まだ1割に達しない。
アッパーマス層まで入れて、やっと21.1%で2割。
残り8割がマス層って、あまりに大雑把な区分だと思う。
この8割を占めるマス層の動向が、経済的には重要なのではないか?
この層がどう階層分化しつつあるのか?が私の関心。
早い話、マス層でも3000万~1000万の層と100万~0の層とでは、大違いだと思う。
さらに、「純金融資産」というのは「金融資産ー負債」だから、当然、マイナスの世帯もあるわけで。
要は「野村総研」が相手にしていない「どうでもいい世帯」ってことなのだろう。
野村総研的には富裕層以上の資産の動向が日本経済にとって重要ということなのだろうが、私的には8割のマス層の階層分化の方がよほど重要だと思う。
そもそも、と言うか、根本的な問題として「純金融資産」の分析が「世帯」単位になっていることが疑問。
「世帯」は一般的に夫婦+子どもという単位だが、2015年段階で日本の世帯数は5290万余。
人口が1億2700万人くらいだから、1世帯あたりの人数は2.4人。
実態は、夫婦+子ども半分に近い。
なんでそうなるかと言えば、子どもが減っている以上に、単身者が増えているのが原因。
ゲイ/レズビアンも単身の人が多いはず。
「単身世帯」という言葉があるが、それって無意味だと思う。
もう世帯把握を止めて、個人把握に移行すべきなのだと思う。
でも、夫婦間で資産の区分がちゃんとついていない世帯も多いのだろう。
『週刊ダイヤモンド』(4月7日号)「特集:新・階級社会」
『週刊ダイヤモンド』(4月7日号)「特集:新・階級社会」
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