LGBTも人目気にせず入れます 宮城・東鳴子温泉を東大サークルPR
東大生の温泉サークル「OKR(おける)」が、大崎市の東鳴子温泉を性的少数者(LGBT)も楽しめる温泉地としてPRしている。人目を気にせずに入れる貸し切り風呂を備えた旅館が多いのが理由。昔ながらの湯治場の特性を生かし、誰もがリラックスできる場所として集客につなげる狙いだ。
発案者はOKR前代表の文学部4年橋本惇さん(21)。浴場が男湯、女湯という身体的な性による分類しかないため「体と心の性が一致しないトランスジェンダーらの中に温泉が好きでも入れない人がいるのでは」と考えたという。
全国の温泉地を巡る中で、湯治場の風情が残る東鳴子温泉に着目した。11軒ある旅館のうち6軒に貸し切り風呂がある。他に利用者がいなければ、時間や回数の制限なく自由に使える。
橋本さんは「一般的には宿泊費と別に利用料が1時間で2000円前後かかる。元々の宿泊費が安い上に追加料金なしで利用できる東鳴子のような温泉地はなかなかない」と強調する。
29日まで鳴子温泉郷で開催されている「湯治ウイーク」の期間中、イベント会場などで活動の趣旨や貸し切り風呂の情報をまとめたチラシを橋本さんが配布。口コミによる宣伝効果を期待する。宿泊者にも貸し切り風呂の感想などを尋ね、改善につなげる。
東鳴子温泉観光協会の大沼伸治会長は「若者らしい視点で、元々あるものに新たな光を当てた。社会的課題に挑む姿を見守りたい」と話す。
PR活動は「ひとにやさしい温泉地プロジェクト」と銘打った。乳がん手術を経験した人や外国人を念頭に、橋本さんは「LGBTに限らず人目が気になって入浴できない人は多い。思いを巡らす機会にもなればいい」と期待した。
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