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どうも!けーとです。
トランスジェンダーにおける「埋没」とは、社会の中で完全に自らの望む性別で生きることを指します。完全に誰にも知られずに生きている、生きていきたいというトランスジェンダーもいるという事です。今回は「埋没」をテーマに、GIDナビライターの雛菊さんとの対談をお届けします!
【不利であることを認めたくない】
雛菊さんは普段からありのまま自分を表現する事にこだわりをお持ちです。彼女自身が埋没をするという事を前向きに捉えていないように感じた僕は、思い切ってそのまま質問してみました。すると、
「少しでも自分たちの置かれている立場が隠す対象だとしたら、悔しくてたまらない。今までもそうだったし、トランスジェンダーであることを隠さなきゃいけなくて涙を飲んだ事もある。」
社会的に不利な状況に立ちやすい事を受け入れたという事に繋がってしまう気がして嫌だとも言うので、”不便”でなく”不利”というのは具体的にどのような事なのか聞くと、多くの当事者が少なからず直面してきた就職活動について触れる事ができた。
「男なら女ならこうしろのマニュアルに当てはまらないのが私ですから、その時点で排除されてしまうのでしょう。当時はトランスジェンダーという言葉がまだ無かったので自己主張も出来なかった。」
【埋没して生きていくことは、実はとても覚悟が必要なこと】
少しずつ認知され、受け入れられているとは言ってもトランスジェンダーとしていて胸を張って生きていくだけで、まだまだ勇気が必要な時代と感じている僕は、雛菊さんに「埋没するということをどう感じるか?」と聞くと、雛菊節が炸裂しました。
「一番困るのは私たちに言う方たち。たまに当事者を見つけると仲間意識持つ割に、外では内緒ねって方がいます。あと埋没していることを売りにしてくる方もいますがそれもお門違いだと思います。私は埋没は否定しませんが、どちらかというとフレキシブルに適切に伝える・言わないを選べば良いことかと思う。つまり、埋没を否定しているのではなくてそもそも埋没という価値観が私には合わないと思います。私も伝える・伝えないは自由に選んでいますし、それによって迷惑をかけたらお詫びします。またトランスジェンダーであることで周りに配慮をお願いする事があっても、それは私たちにして頂く必要な最低限の範囲内の配慮だと思っています。私たちもマジョリティに配慮はしている。」
【まとめ】
「埋没って言葉が嫌いなのでしょうか。除去しなきゃいけないみたいな。言わない派ならまだしっくり来ます。」と言った後で、「なんだか嫌な女になってないですか!?」と言った彼女。笑
トランスジェンダーの中にも本当に様々な人や価値観が存在します。お伝えしたいのは、埋没をするという事を肯定/否定という事ではなくて、当事者の中にも様々な経験や考え方があり、自分で選択しているという事。そして何にしても、余計な詮索はしないことが最良でしょう。
ちなみに僕は、活動家としての顔もあるのでフルオープンですが、昔は過去の自分の一切を無かったことにしたいと考えていました。ここだけの話です。…いや、書いたかな??
雛菊さんとはあらゆるテーマで今後も対談していきたいと思います!
けーと×雛菊対談!~埋没という生き方~
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