詩織が小学生の頃、「ちんちんがない」という事実は、男子たちにとって絶好のからかいのネタだった。
「お前、どれくらいある?」
ある日、体育の授業が終わったあと、男子たちがふざけながら話していた。
「俺、〇センチだぜ!」
「俺のほうが大きいし!」
「お前、小さすぎ! もっと成長しろよ!」
彼らはそんな話題で盛り上がっていた。
そこへ、詩織が通りかかる。
一人の男子がニヤニヤしながら詩織に声をかけた。
「なあ、詩織はどのくらい?」
詩織は一瞬、意味がわからずに眉をひそめた。
「は?」
「お前のは、どのくらい?」
「……そんなの、女にあるわけないじゃん」
言った瞬間、男子たちは大爆笑した。
「やっぱりなー! ゼロセンチ!」
「お前、それじゃ外で立ちションできねぇじゃん!」
「お前のパンツ中身、どうなってんの?」
次々と飛んでくる男子たちの言葉に、詩織はギリッと歯を食いしばった。
「……そんなの、関係ないでしょ!」
「関係あるだろー! だってお前、男じゃないもん!」
「どこからおしっこ、出てるんだ?」
詩織は拳を握りしめた。
悔しくて、悔しくてたまらなかった。
スポーツでも、鬼ごっこでも、勉強でも負けたくないのに、たった**「ちんちんがない」という理由だけでからかわれる。**
(なんで、男だけがそんなことを言うんだろう。私だって、対等なはずなのに。)
「うっせぇ! そんなの関係ないって言ってるでしょ!」
詩織は怒鳴ると、男子の一人の足を思い切り蹴った。
「いってぇー!!」
男子が痛みに顔を歪める。
「やりやがったな!」
「くそっ、女だからって容赦なしだな!」
詩織は、怒りと悔しさを抱えながら、その場を立ち去った。
——それ以来、彼女は**「男に負けない」という誓い** を強く心に刻むことになった。
ちんちんが無くても、絶対に男に負けるわけにはいかないのだ。
|
|
からかわれる日々