悠斗は駅のトイレで深いため息をついた。トイレには男性用の小便器が並び、多くの男性が何の迷いもなく立ちションを済ませている。その光景を見るたび、悠斗の胸は締め付けられる。
「俺にも、あれさえあれば……」
悠斗は無意識に拳を握りしめていた。悠斗には、もはや立ちションをするための陰茎はない。周囲の男たちは次々と小便器で用を済ませ、すぐに立ち去っていく。一方、悠斗は個室が空くのを待つしかなかった。
「ちんちんさえあれば……」
悠斗が陰茎を失ってから、尿意を我慢するのも難しくなった。尿道の構造が女性と同じように作られているためだ。さっきから膀胱が悲鳴を上げているのに、個室の列はなかなか進まない。
「なんで俺だけ、こんなに情けない思いをしなきゃいけないんだ」
悠斗は焦りと苛立ちを必死で抑えながら、個室の列に並び続けた。
一瞬でも力を抜いたら、おしっこを止めるのは不可能だ。
女子と同じように、尿道口を手で抑えて耐えるしかない。
悠斗は股間を押さえた。
だが、手に触れるのは、平らな股間。
男性器はない。
やっぱり、ちんちんはないんだ。
俺のおしっこは、女みたいな割れ目から出るようになってしまった。
この事実を、誰にも見せられない。
悠斗は歯を食いしばりながら、列が進むのを待つしかなかった。
女装拡散ゾウさん
掲載媒体:性転換大失敗!元ナシナシニューハーフが男に戻る!
立ちションできない悠斗
立ちションできない悠斗