悠斗は、大陰唇を開き、クリトリスを探り当てた。
女子の性感帯であるクリトリス。
男の悠斗にクリトリスがあるわけがない。
しかし、性転換手術時に陰茎の先端を移植し、尿道口を塞ぎ、クリトリスに見立ててある。
女子のクリトリスと同じく1cm程度と小豆サイズ。
だが、悠斗にとっては唯一残った陰茎の名残だった。
「この豆みたいなのが俺の陰茎の代わり……。」
女子のクリトリスは露出している部分が僅かなだけで、中に広がる構造で快感を得られるらしい。
しかし、悠斗は小豆ほどの感覚しか持たず、陰茎の快感もクリトリスの快感もない。
ただ、わずかに亀頭のような感触があるだけ。
M字開脚のまま、鏡でクリトリスを確認しながら、指を上から押さえつけ、ぐるぐる回すように刺激してみる。
「女のオナニーそのものじゃねえか……。」
不本意だった。
刺激すると多少の快感はある。
だが、陰茎が勃起するわけではなく、盛り上がらない。
感覚は鈍く、昂ぶることもない。
10分ほど続けたが、オーガズムには達しなかった。
ふと鏡を見る。
M字開脚のまま、クリトリスを刺激している自分の姿が映っている。
「女のオナニーなんかやってられるか……!」
悠斗は、虚しさに耐えられず、手を止めた。
「なんで陰茎がないんだよ……!」
苛立ちを抑えきれず、股間を手で叩いた。
しかし、衝撃を受けたのはただ平面的な人工の女性器。
陰茎も陰嚢もない股間を打つたびに、男性器がないという現実がより強く突きつけられるだけだった。
何度叩いても、戻ってくるものは何もない。
「ふざけんな……!」
拳を握りしめたまま、悠斗は肩を震わせた。
オーガズムを諦め、黙ってパンツを履いた。
女装拡散ゾウさん
掲載媒体:性転換大失敗!元ナシナシニューハーフが男に戻る!
悠斗の自慰
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