悠斗は自分の股間を鏡で観察していた。
かつては、陰茎があり、陰嚢がぶら下がり、陰毛もふさふさで、典型的な男性の股間だった。
しかし、今は真逆だ。
陰茎も、陰嚢も、陰毛もない。
女子のような割れ目があるだけ。
足を閉じると、Y字の股間に一本の割れ目の先端が見える。
悠斗のフェチが、自分の股間で再現される。
「……自分についてても意味ないんだよ。」
女みたいにM字開脚してさらに観察する。
男性器を切り貼りして作ったとは思えないほど、そこには「男」の痕跡はなかった。
股間だけ見れば、女子にしか見えない。
悠斗は無意識に手を伸ばし、ゆっくりと触れてみた。
しかし、そこにあるのは、見た目だけの女性的な造形。
快感もなければ、かつての自分の感覚もない。
「……これが、俺の現実なのか。」
静かに呟いた言葉は、鏡の向こうの自分に吸い込まれていった。
女装拡散ゾウさん
掲載媒体:性転換大失敗!元ナシナシニューハーフが男に戻る!
鏡の中の現実
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