悠斗にとって、女性用のショーツは着心地がいいのは事実だった。
しかし、それがジャストフィットしているということは、男性器が存在しないという事実を受け入れさせられることと同義だった。
男性器がないことへの諦めから、性欲が少し抑えられることもある。
だが、好みの女性と触れ合った場合は、話が別だった。
女性用のショーツでは絶対に膨らむことのない箇所が、まるで突き破らんかの勢いでファントムペニスが勃起する。
(確かにそこにある……俺は今、勃っている……!)
ショーツ越しに存在しないはずのペニスを感じる。
布地が押し上げられる感覚すらある気がする。
しかし、それは幻。
ショーツから突き抜けたと思われるペニスなど、どこにも存在しないのだ。
それどころか、股間はただ女性のように滑らかで、何の膨らみもない。
その事実に気づいた瞬間、悠斗の心は絶望に沈む。
「……俺は、男なのか?」
触れて確かめようとしても、そこには何もない。
性欲が高まれば高まるほど、それは冷酷な現実となって悠斗に突きつけられた。
本能が求めるものと、現実のギャップ。
それが、どれほどの苦痛を伴うものなのか——悠斗は日々、痛感するのだった。
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女装拡散ゾウさん
掲載媒体:性転換大失敗!元ナシナシニューハーフが男に戻る!
幻の勃起
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