酒を飲むほどに、性欲は増していく。
悠斗はベッドの上で、荒い息をつきながら股間を押さえた。
そこには何もない。
——それなのに、勃起している感覚があった。
(勃っている……でも、触れない……。)
ファントムペニス。
存在しないはずのペニスが、脳内では確かに感じられる。
「……っ。」
悠斗は全裸になり、ベッドの上で正常位の体勢を取った。
腰を動かす。
目を閉じれば、かつての感覚が蘇る——はずだった。
だが、現実には何もない。
彼の腰が沈むたび、空虚さが広がる。
(これじゃ……何の意味もない……。)
それでも、動きを止められない。
快感ではなく、衝動。
何かに突き動かされるように、腰を振る。
だが、それはひどく滑稽で、虚しい行為だった。
(俺は……何をしているんだ……?)
気づけば、全身が汗に濡れていた。
息が荒く、体が火照っている。
だが、満たされることはなかった。
精液を放つこともなく、ただ欲望の行き場を見失ったまま、疲れ果てる。
(何も変わらない……何も……。)
虚無感が胸にのしかかる。
汗まみれのまま、悠斗はベッドに倒れ込んだ。
視界がぼやける。
(……もう、いい……。)
重たいまぶたを閉じ、意識が闇に沈んでいく。
ようやく、眠気が訪れた。
——だが、その夢の中にさえ、かつての自分は存在しなかった。
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女装拡散ゾウさん
掲載媒体:性転換大失敗!元ナシナシニューハーフが男に戻る!
幻影の欲望
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