「いや、別に気にすることなくない?」
葵は軽い調子で肩をすくめると、続けた。
「おちんちんがなくても生きていけるし、うちも付いてないけど困ってないし!むしろメリットもあるんだよ?」
彼女の明るい笑顔は、まるで軽い冗談を言うかのようだった。
しかし、その言葉は悠斗の心には響かなかった。
「……俺は、困ってるんだよ。」
自分でも驚くほどの力が声にこもった。
葵は一瞬きょとんとした後、笑って「たとえばさ、タイトなパンツ履いても邪魔にならないし、動きやすいでしょ?あとさ、男の子って勃っちゃうこと気にするじゃん?それもないしさ!」
「まぁまぁ、大丈夫だって!」と軽く肩を叩いた。
だが、悠斗の心は釈然としない。
彼女にとっては気にすることではなくても、悠斗にとっては根本的な問題だった。
「俺は……本当に、これでいいのか?」
頭の中で問いが渦巻く。
葵は何も変わらず無邪気に笑っていたが、悠斗の中には、晴れない影が残り続けていた。
この状況をどう受け止めればいいのか、彼には分からなかった。
笑われるために、ここに来たわけではない。
男として生きるために、ここに来たはずだったのに……。
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女装拡散ゾウさん
掲載媒体:性転換大失敗!元ナシナシニューハーフが男に戻る!
慰めの言葉と揺れる心
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