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第七章:トイレでの葛藤

悠斗は、男性用トイレの前で足を止めた。

小便器の前には何人かの男たちが並び、何気なく用を足している。彼らにとっては日常の行為。だが、悠斗にとっては、そこに立つことさえ許されていない場所のように感じた。

「俺も……普通にできるはずだ。」

そう思いながら、小便器へと足を向けようとした。しかし、次の瞬間、全身がこわばった。

彼には、立って排尿する術がない。

かつて当たり前だった行為が、今の彼にはできない。それを意識すると、足がすくんで動けなくなった。

何事もないような顔をして、悠斗はすぐに向きを変えた。個室に入り、鍵をかける。

便座に腰を下ろした瞬間、ため息が漏れた。

「なんでこんなに苦しいんだ……?」

膝に肘をつき、頭を抱え込む。

個室なら安心できるはずなのに、そこに座る自分がまるで「男として失格」だと告げられているような気がした。

幼いころから染みついていた「男は立って用を足すものだ」という感覚。それが今はできない。誰かに見られているわけではないのに、ひどく惨めな気持ちになった。

便座の上で、拳を握りしめる。

「俺は……男なのに。」

静かなトイレの中に、彼の苦悩だけが沈んでいた。


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掲載媒体:性転換大失敗!元ナシナシニューハーフが男に戻る!
第七章:トイレでの葛藤
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